鯖煮
□ラミアの蠱毒
1ページ/1ページ
ヤマトを選び共にポラリスを倒して真理は実力主義の世界を受け入れた。
そしてヤマトの妻になることを真理は承諾していた。
むしろそれは真理も望んでいたから。彼だけのものになりたかった。
サダクとは今も交友を持っていてヤマトはそれを不承不承なからも認めていた。
とても嫌そうな顔をするけれどやめろと言わないことが真理は嬉しかった。
外に行くときはヤマトが傍にいるか真理の悪魔を複数傍に控えさせるようにと
言われてはいるもののヤマトは真理にある程度の自由を与えていた。
それをフミは不思議がっていたけれど真理には分かっていた。
ヤマトは計っているのだとどの程度までなら真理が赦すのかを。
そんなことをしなくても真理はヤマトに
全て差し出しているのにヤマトは今だそれに気づかない。
それに真理は微笑んでいた。何時気づくのか楽しみに真理は待っていた。
そしてそれを隠して今日も囁くのだ。愛しいヤマトを縛る呪縛の言の葉を。
捕えた人を逃がさぬように甘い鎖で絡め取って放さぬようにするために。
絡めとられたのは本当は自分の方だと知りながら……。
微笑みで愛しさに狂う己を隠してふわり微笑む。
何処へもいかないで。そう祈りながら……。