短編U

□狂った先は
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「―――― 」
「―――――! 」



ああ、ああ、ああ
馬鹿ね、もう私には何も聞こえないのに、こうやってもう直死んでゆくのよ。
どうぞ貴方は鼻で笑って私の最期を見届けてください。


―あはは
優しいのね、何故泣くの?私が死にそうだから?
貴方が泣く必要なんてどこにもないのに、そうよ。そんな必要これっぽっちもないわ







けれどね
最後目を瞑る瞬間、分ってしまったの





“アイシテル”







聴覚を失った私には直接伝えられることのなかったその言葉。
心臓に大きな傷跡を残したナイフはまだ私の胸に埋まっているの


ねえ、元希。

私も愛していたよ、けれど、もう



(もう遅いよ、何もかもが)




せめて静かに眠らせてね。
さようなら愛する人。












(20080415)

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