暗黙

□暗黙:3
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「俺が死ぬワケねェだろ‥‥それよりオメェ、友達なんて出来たのかァ?」

お前を残して死なない、そんな言葉は飲み込んで‥‥

「ええ、そうなのっ!とっても面白い人よっ」

俺の浅はかな策略には気付かずに、彼女は声を弾ませながら口元を綻ばせた。

やっぱり、オメェは笑ってる方がいいな‥‥

君が笑うと、俺の心にぽうっと温かな光が灯る。
そんな感覚がひどく懐かしくて、俺は君から目が離せないのかもしれない。
あるいは‥‥

「名前はね、ソーゴっていうの。面白い話し方をするからまた楽しくて」

「そうか‥‥」

「ソーゴはヒジカタサンが大嫌いなんですって。でも、きっと嘘だわ。だってソーゴはヒジカタサンの話をしている時、とっても嬉しそうだもの」

ん?
待てよ‥‥ヒジカタサン?
嫌な予感が‥‥

次の瞬間、その予感は的中する。

「ソーゴは凄く強いんですって。『しんせんぐみ』のタイチョーなんですって!」

キターー!!!

「ところで晋助、『しんせんぐみ』って何をするところなのかしら?」

最近、自分の予感は良く当たると、半ば投げ遣りになりながら、関係の無いことに思いを馳せていた。

「晋助?」

「‥‥あァ、あれだ。真選組ってェのは‥‥あれだ‥‥」

どう答えろって言うんだ!?
正直に「敵だ」とでも言うべきなのかっ!?

ちらりと彼女の顔を見ると、純粋に不思議だと言いた気な顔をしていた。
俺はそんな彼女からぱっと視線を外す。

無理。
言えるワケがない‥‥

何より、彼女が嬉しそうに「友達」と言う人間の存在を「敵」だと言って否定す
ることなど出来ない。
そのことで一番傷付くのは、彼女だ‥‥
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