この度は、拍手していただき誠にありがとうございます。こちらには、続き物の短編小説を四頁に渡って、綴っております。
※本編を、先にある程度読まれた上の話になります。
あの、戊辰の戦から早・五十年。
都は長く続いた京の地を離れ、遠く
江戸・東京へと移り変わり、時代も
明治から大正と呼ばれるようになった頃。
かつては武家邸が並び、今では瓦斯灯
が一列に並ぶ緩い坂道を、人力車に
何台も何台も追い抜かれながら上る
一人の、老婆の姿があった。
ーーーーー大正五年。
みつ………六十九歳。
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