短篇集

□追悼企画小説2
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(ぼ、木刀一・・・って)

「も、もしかして


お二人はこの学校の


剣道部一・・・・・?」


みつが驚き様、問い掛ける

と、睨み合っていた


原田さんが満面の笑みを浮かべ


「何だ、知ってたのかよ」

と、微笑んだ。


その言葉にみつは眼を輝かせる。


「知ってますよっ!


都内でも、一、二を争う


くらい、強いってっ!」


手をグッと握りつつ


思わず、力説。


「そうかそうかー


俺はこれでも剣道部の


部長やってんだ。んで・・

こいつは、副部長でさ」


「一・・・・・・・」


「原田さんっ。あなたまた

余計なことを一・・・」


すっかりみつの情熱に


押され、語りだした


原田さんに痺れをきらした

のか、総司は余計なことを

と、言葉を投げつけた。


「そんなことないよっ。


部長や副部長なんて


中々なれるものじゃない


じゃない」


「副部長なんてただの


役職名だ。俺は別に


興味をそそられはしない」

()


誉め言葉言ってるのに


こんなに腹が立つのはなぜ?


と、みつの中で沸々と怒り

がこみあげてゆく。


しかし一・・・・・。


「一・・・でも、いいなぁ

剣道。久しぶりに竹刀握り

たいなぁ・・・・・・」


気分を変えようと背伸びを

したみつの口から、ふと


剣道の二文字が零れ落ちた。


「一・・・・・・っ」


「みっちゃんっ、あんた


剣道やったことあるのかっ!?」
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