風姿華伝書

□華伝書37
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「まったく、困るぜっ。

せっかく、楽しみにしてた

のに、なぁ、平助。


嫁さん探しは、お預けだな」


「まぁ、しょうがない


でしょ?こうなっちゃった

からには」


沖田先生のみならず、  

三人トリオも、すでに  

先程から、後ろを


この数人の浪士達が   

後をつけていたことに  

気が付いていた。


そして、今。


先生に刀を向けていた  

浪士の仲間が、ダダッと 

駆け足で現れ、四人を  

取り囲み、鯉口をきる。


「一・・・抜け。新選組の

沖田だろう?池田屋で、


死んでいった仲間の無念、

今、晴らしてやるっ!!」

浪士の新選組という、  

言葉に、ザワッと人々が


恐怖の念に、包まれ、  

辺りは、祭どころでは  

なくなってしまった。


そんな中、沖田先生が  

刀に手をかけた。


いつもなら、刀を反して 

逆刄にするところだが、 

今回は、そうもいかない。

相手の浪士達は、本気で 

先生方を斬ろうとしとおり

加えて一・・・。


「一・・・しょうがない


ですね。新選組とまで、


今更、よそうと、言った


ところで、無理な話


でしょうし」


先生は、鬼の眼で刀を  

向ける浪士を、じっと睨む。


そして、天然理心流の構え

である、平青眼に構えた。
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