みじかいの
□Only our futures
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「 あとどのぐらい走れば良い?? 」
私は聞いた。でも返ってくる返事は、いつも同じ。
「 もっと もっと。 ≪アレ≫を振りきるまで。 」
Only our futures
結局、どんなに走っても私は≪アレ≫を振りきる事が出来なかった。
奇声をあげて飛びかかってくる≪アレ≫を、長く黒光りする鉄の棒で殴りつける。
≪アレ≫は地面に叩きつけられ、私の顔に鮮やかな緑色の血液が飛び散った。
「ずいぶん慣れたじゃないか。」
いつの間にか、ソフィアが私の隣にいた。
特に驚きはしない。
音を立てず、気配を感じさせずに移動するのはソフィアの特技だから。
しゃがれたような声も、その頭から伸びる異質な角も、悪魔を連想させる翼と尾も、私は見慣れてしまっている。
ソフィアは人間では無いのだ。
「慣れなきゃ、、、生きていけないでしょ?」
答えた私はもちろん人間。
特に目立つようでもない、普通の中学生だった。
あの日が来るまでは。