C¢C‐もう一人の烏‐
□遭遇
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「僕の前で群れないでくれる」
そんな声が聞こえた。
こんな場所では珍しく、見物してみることにした。
人気のない路地裏。
声の聞こえた曲がり角を、隠れて覗いてみる。
その先にいたのは男が6人。うち1人だけは黒い学ランを肩にかけている。
さっきの声はあいつか?
「ぁあ!?なんだガキ、なんか文句でもあんのか!?」
チンピラのような男が学ランに言ってるところを見ると、どうやら当たりのようだ。
(大人5人にガキ1人、情けねえな)
大の大人が、何やってんだか。
「うるさい」
聞こえてきた凛とした声。
それを認識する前に、さっきの男は吹き飛んでいった。
学ランの手にはきらめく銀色のトンファー。
よく見れば、学ランの腕には『風紀』の腕章。
(あぁ、あいつは)
「咬み殺す」
チンピラが全員倒れるまで、時間はかからなかった。
(弱っ…)
というよりは、学ランが強いのかもしれない。
倒れた男たちの真ん中で、1人悠然と佇む学ラン…並盛中風紀委員長、雲雀恭弥から、目が離せなかった。