I am manager!
□No.12
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私より先を歩く背中を追いかけ、さっきの喫茶店へと向かった。扉を開いた先にいた店員さんに迎えられ、2人で席につく。
あ、丸井先輩に連絡しとかないと。
(電話……はダメだな)
気付いたら私の電話に着信があるだろうが、今はまだない。
(メールしとこう)
わかりやすい店だと思うし。
店の特徴を書いたメールを先輩に送り、先にメニューを見ていた恩人さんに目をやる。
そういえば、まだ名前も聞いていなかった。
「私、立海大附属中の2年で山城真理っていいます。さっきはありがとうございました」
「……別に」
「名前……聞いてもいいですか……?」
「……亜久津仁」
「亜久津さん……ですか」
もうひとつ設置されていたメニューを開き、私も何を注文するか決める。
(ミルクティ…にしようかな)
「……オイ」
「はい」
「なんにすんだ」
「私はミルクティです」
つまらなそうな顔をされたのは何故ですか。
ミルクティはそんなにつまらないですか。
亜久津さんが若干言いづらそうにしているのを眺めながら、胸の中で問いかけるのでした。
「真理〜〜!!!」
俺はひたすら走って真理を探していた。早く見つけなくちゃ真理が寂しがっちまう。
あれで真理は寂しがり屋だから。
「……て、そうじゃん携帯があったじゃねぇか!」
なんで気付かなかったんだ俺!
今更ながらに携帯の存在を思い出した俺はすぐに携帯を取り出し、画面を見つめる。
《着信5件》
見れば全て真理からのもの。
俺のバカ!!
「ん、メール?」
よく見ればメールも来ていて、それも真理からだった。
「………真理、待ってろぃ!!」
メールを読んだ俺は止まっていた足を全力で動かして駆け出した。
目指すは、真理が待つ喫茶店
(扉に『モンブラン』のポスターが貼ってある喫茶店で待ってます)
No.12 END
2008/2/22 高守菖
修正2009/11/2 烏汰