C¢C‐もう一人の烏‐
□遭遇
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眉間の皺を更に濃くした雲雀が、楽しくて仕方なかった。
「咬み殺すよ」
ああ、口元が緩んで仕方ない。
思わず上がってしまう口端をそのままに、雲雀から目を離さず言い放つ。
「…やれるものなら」
やってみろ
トンファーはすぐに飛んできた。
目の前に迫ったトンファーを後ずさることで避ける。
反対のトンファーが左から来るのを視界の端に捉え、それを左腕でガード。
この細腕のどこにそんな力があるのかと聞きたくなるほどの衝撃だ。
少し左腕が痺れている。
(へぇ、思ったより全然…)
これは牙だ。
まるで獲物を食いつくさんと言わんばかりの威力と速さ。
決して中学生とは思えぬほどに。
身震いが、止まらなかった。
「今夜は最高だな」
「うるさいよ」
収まることなき攻撃を、避けたりガードしたりして受け流す。
楽しくてたまらない。
そう思っているのが伝わったのか、その眉間の皺は更に濃くなった。
しばらくこの攻防は続いた。
まぁ、俺は防ぐ一方だったけど。