C¢C‐もう一人の烏‐
□遭遇
3ページ/6ページ
「ねぇ、いつまで隠れてるつもり?」
こちらに背を向けたまま、その声は聞こえた。
おそらく、俺に言っているのだろうと思い肩をすくめた。
「なんだ、バレてたのかよ」
角から姿を現してそう言えば、雲雀もこちらに向き直った。
「バレてないとでも思ったの?」
「一応な」
「ふん、バレバレだったよ」
バレバレ…ね。
そしてようやく見えた雲雀の顔に、思わず口元が緩むのがわかった。
面白いものを、見つけた。
「で、こんなところで何してるの。しかもこんな時間に」
口元を隠すマスクのおかげか、雲雀は俺が笑っているのに気付かない。
それでもずいぶんと不機嫌そうではあるが。
「ちょっと散歩さ。夜の散歩が好きでね」
「……君は並中生?」
「ああ、よくわかったな」
「なんとなくね。それより、早く帰りなよ。これ以上こんな時間に出歩くなんて許さないよ」
自分はいいのかよ。
さすが、俺様風紀委員長。
いや、僕様か?
「はいはい、今日は大人しく帰るさ。…面白いものも見れたしな」
「…それ、僕のこと?」
「さぁ?」