リボーン短編

□そこらで拾いまして
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「お前、名前は?」



「………」

「いや、なんか言えし」



「………」

「ししっ
可愛くねー女」




こないだの任務で転がってたから拾って来た女


ボスにかっ消されるかと思いながら一生懸命持って帰って来たのに、飯だけ食って一言も喋らねぇ


もう、殺しちまおうか
とチラッと思った時





「……なまえ」





「あ?」


「名前、なまえ」



やっと喋った。
さて、どうしたもんか……




「お前、これからどうする?」


「…私を殺さなかったのはあなたでしょ?
あなたの言う通りにする」




「ふーん
んじゃ、お前は今日から王子のしもべね」



って事ならボスにも他の連中にも何も言われねーだろ


なんて思いながら返事を待ってると思いもよらぬ返事が返って来た




「しもべは嫌だ」


「はぁ?」



こいつ…
自分で自分の言った事わかってないのか?

さっきは王子の言う通りにするって自分で言った癖に





「しししっ
とことんムカつく女」


「どうも」




カエルレベルだこいつ





「…じゃあ今日からなまえは
王子の姫な♪」




「……姫?」




「そ
勝手にどっか逃げ出してもダメ
王子の手の届くトコに居ろ」



「……わかった」







そこらで
拾いまして





(任務先で拾ったかわいくねー女)

(城に独りだった私をさらった人)

(暇で毎日がうんざりだった)

(ただ居場所が欲しかった)


((ただ、それだけ))






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