GLORIA

□第1夜
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ガタンガタンゴトン

代わり映えのしない列車の音を聞きながら外の景色を眺める

久しぶりのイタリアだなぁなんて思いながら
この列車でホントにあっているのか不安になる。


「神田達来ないな……」


「困ります お客様!」


駅員の困った少し情けない声が聞こえた


「黒の教団です
すでに一人乗車しているので
そちらに通して下さい」


来たか。
とうとう、アイツが……


「!黒の…!?
か かしこまりました!」


ぱたたたた
コンコン、ガチャ


「マテリア様、教団の方々が来られました
お通しして宜しいでしょうか?」


「はい。お願いします
………ハァ」


神田が来るのか…
嫌だなー


コンコン
「失礼します。
マテリア殿、遅くなってしまい、申し訳ありません。」


「大丈夫です。」


「………チッ」


今明らかゲって顔したよね?
したよね!?
…ケンカしてる場合じゃないから、
此処は私が大人にならないと…


「…お、おひさー神田クン」


「……キモ」


…ムカつく。ヤバい、絶対顔引き攣ってる抑えろ自分……!!


「ハハ、アハハハ
…と、私はエクシストのユア・マテリア。
よろしく、新人クン」


忘れる所だった。
危ない危ない。


「あ、僕はアレン・ウォーカーです
よろしく。」


「私は今回 マテールまで お供する
ファインダーのトマ
ヨロシクお願いいたします」


とまぁ、一通り自己紹介が済んだ所で神田君が一気に不機嫌になりました。


「オイ、何でてめぇが居るんだよ」


「コムイに頼まれた
大丈夫、私は戦わないから」


「…チッ」


舌打ちしやがったぞコイツ

パタパタ


「…ティム?」


「! ティムキャンピー!!!」


「ティムの事知ってるんですか!?」


「え、だって私の数少ない理解者だから」


「(理解者!?)そ、うですか
で さっきの質問なんですけど
何でこの奇怪伝説とイノセンスが関係あるんですか?」


「……神田君、お答え下さい」


「チッ」


本日二回目の舌打ち入りました。
だってめんどくさいんだモン

柄にもなくモンとか言ってみた心の中で


「ぶにーぐにーうにー」


「うるせぇ」


ティムを弄って遊んでたら説明中のバカな神田にうるせぇなんて言われちったよ
畜生。


「…………ぽよよん」(ちっちゃく)


せめてもの反抗だバカヤロー


「チッ」


はい、本日三回目入りました。
……そういやさっきから気になってたけど、新人クンのイノセンスって何?
武器を持ってる訳でもなさそうだし…


「ねぇ、君のイノセンスって何?
もしかしてその左目?
目からビーム的な?」


「違いますよ!!なんですか目からビームって、もうほとんど鉄人じゃないですか!!
……僕のイノセンスは左腕です」


ほら、と言って左腕のカバーを外す新人クン。
うわ、真っ赤。


「ふぅーん……変なの。」


「(ガーン)…今までで一番傷付いたかも」


「てかさ、じゃあその目は何なの」


気になるよ、エクソシストのクセしてペンタクルの入れ墨なんて…
デザインカッコ悪いし。


「カッコ悪い……」


落ち込んだ?
アリ、心読まれてる?


「…コイツ、呪われてんだよ」


何故か神田が答えた。


「へぇー呪いかァー
………え?」


呪い? のろい? ノロイ? Noroi?


「呪い!?」
「はい」


「アクマの!?」
「はい」


「…本当にあるんだ。」


びっくりだよ。
本とか昔話とかなら良くあるけど、
現実にあるんだね。

まぁ、アクマみたいな化け物が居る時点で普通じゃないけどさ。


「………これは…」


突然、今まで空気になってた神田が独り言を言い出した。
怖。キモ。ウザ。


「そうでございます
トマも今回の調査の一員でしたので
この目で見ております
マテールの亡霊の正体は…」





―――――……








岩と乾燥の中で劣悪な生活をしていた
マテールは「神に見離された地」
と呼ばれていた


絶望に生きる民達はそれを忘れる為
人形を造ったのである

踊りを舞い
歌を奏でる快楽人形を


だが結局
人々は人形に飽き外の世界へ移住

置いていかれた人形はそれでもなお動き続けた



五百年経った現在(いま)でも…










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