リクエスト専用コーナー V
□薫様 リク 春の厄介者
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4月上旬。
特命部では日頃の労いとして皆で花見をしていた。
『すっごい綺麗だね!リューさん。』
ヨーコが団子片手にはしゃいでいる。
『そうだねー。それにしても..
残念だね。薫ちゃんが用事で来られないなんて..』
リュウジが残念そうな顔をする。
『薫ちゃんも残念がっているでしょうね。司令官。』
『あ..あぁ...そうだな。
きっと残念がってるだろうな。』
言葉を濁したように話す黒木。
彼には薫が出たくても出られない理由が分かっていた。
いきなりなるなんてな...
黒木は桜の木を見ながら薫のことを考えるのだった。
さてここは薫の自宅。用事があると言っていた薫は家にいた。
ソファーに寝転がりながらテレビを見ている。
ソファーの近くにはティッシュの箱が積み重ねられ、ゴミ箱はティッシュでいっぱいだった。
机の上には薬らしきものがある。
『.....っくしゅん!あ゛ー
もう!最悪だし。』
お花見の1週間前に花粉症になるなんて....不運すぎだよ。
『こんな顔じゃ化粧することも出来ないし...あ゛ー!目が痒いぃー!イライラする!』
薫は花粉症になってしまったせいで花見をキャンセルしたのだが、
叔父である黒木だけには話していた。
外に出ることがもちろん出来ないため、エンターとも会うことが出来なかった。
司令室は薬を飲んでいけば、ばれないのだが花見となるとそうもいかない。