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□clap
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階下からざわざわと吠舞羅のみんなの楽しそうな声が聞こえる。

あー、私もクリスマスパーティーやりたかったなー。
なんでこんな日に限って風邪なんか引いちゃったんだろ。

ずる、と鼻を鳴らしながら心の中で独り言ちる。

キイ、と小さくドアが鳴いた。
気のせいかなと思いつつも聞き耳を立てているとギシリ、と床が鳴った。

「なに?」

「あ、ワリ、起こしたか」

近くまで来たことでぼんやりと認識できるようになった人影は、サンタ服を着ていた。

「え、八田くん、どしたの」

「いや、あー、王様ゲームやってたんだけど、」

「あー…」

罰ゲームか。
きっと嫌々やっているであろう八田くんには申し訳ないけれど、不謹慎だけれど嬉しくて思わず顔が緩む。

「これ、早く風邪治せよ」

そう言いながら手渡されたのは栄養ドリンク。
わー実用的。
クリスマスプレゼントにしてはロマンの欠片もないそれに思わず不満の声が漏れる。

「えー…他にはー?」

「は、他?」

おそらく罰ゲームをこなしたらさっさと引き上げるつもりだったんだろう八田くんは困って、うーん、などと間延びした声を上げる。

「八田くんがいい!」

「は?」

「今年のクリスマスプレゼントは八田くんがいい!」

にやりと、したり顔でそう言い放てば、八田くんの顔は面白いように赤くなっていく。
動揺している空気が伝わってくる。

「お、お前な…!あークソッ」

恥ずかしかったらしく頭を掻いてそっぽを向いて唸っていた八田くんがギシリ、と床を鳴らしながら近付いてくる。

「…あんま可愛いこと言うんじゃねーよ」

ゆっくりと、八田くんの顔が近付いてくる。
互いの息が掛かって、あと数センチといったところで入口付近から、ちょっおい押すなって!と坂東の声が聞こえてきた。
閉じていた目を開けて、パチリと至近距離で八田くんと目が合う。
そのままそろって入口へと向いた。

「お前ら…」

八田くんの口元がわなわなと震えて怒りを顕にしている。

「やべっ、バレた」

「テメー!待てコラー!」

そのまま足音を響かせ怒鳴りながら、出歯亀していた坂東たちを追いかけて行ってしまった。



なんだか、風邪引いてて良かったな。役得。

そう思いながら、幸せなクリスマスの夜は更けていく。
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