庭園
□葵長官!?
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私としたことが・・・。
年が20以上も下のあの小娘に・・・。
・・・心ヲ、奪ワレタ
「長官!生きてますか!生きているのなら、返事くらいしてください!長官!」
・・・どうやら、報告を聞きながら眠ってしまっていたらしい。
私は、バチッ、と目をあけた。
「うわぁ!ビックリした〜。
生きてましたか、長官。死んじゃったかと思いましたよ。
なにせ、頬杖ついて目を閉じたまんま、ピクリとも動かないんですもん。」
この甲高い声は、朝廷でただ一人の女官吏、紅 秀麗だろう。それにしても・・・
「死んだかと思っただと?そうか、クビにされたかったのか。わかった、いいだろう・・・」
「違いますよ!ええと、それはですね・・・、」
「ほぉ。上司の言葉を遮るとは、いい度胸をしているな。」
「いえ!ああああの、そうではなく・・・」
そんな、いつもとさして変わらない会話を交わす。
「ところで・・・。報告をはじめから最後までもう一度繰り返せ。」