正義のために戦え!

□7話
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ようやく、先ほどの坂を登りイガを抜けた。

「ここがざぜん町でんな。」

ざぜん町。
また新しいところへきた。

サッ

「「「!」」」

そんなことを考えていると、私たちの目の前を遮るように、女の人が飛んできた。

女の人は私たちを横目でちらりと見ると、体の向きをこちらへ向けた。

「やっぱり、あなたたちだったのね。」

「ヤエちゃん!」

ゴエモンが驚いたように反応を示すと、ヤエさんはゆっくりとした手つきで髪をかき上げた。

「あら?その子は…」

ヤエさんが私に気付いたようで、目を向ける。綺麗な人だなぁ…

「こいつはサクラ!
おいらたちと一緒に旅をしてるんでぃ!」

「初めまして、サクラといいます。」

私がお辞儀をし、その後にちらりとヤエさんの方を見ると。

「…。」

なぜか固まっていた。

「あ、あの、ヤエさん?」

私の方からヤエさんに声をかけてみる。すると、ヤエさんはうつむいてプルプルと震え出した。

「や、ヤエちゃん?
どないしたんや…?」

エビス丸も不安になって、ヤエさんに聞いてみる。
その時、ヤエさんは蚊の鳴くような声で何かを言った。

「なんでっか?
もう少し大きな声で話してくれんと、聞こえませんな。」

エビス丸がそう言った瞬間、ヤエさんはばっと顔を上げた。

「かわいいいいいいい!!」

「えっ!?」

ヤエさんは、突然私に抱きついてきたのだ。
そんなヤエさんを見て、ゴエモンやエビス丸もぽかーんと口を開きっぱなしで閉まらない。

「私、サクラちゃんみたいな可愛い妹が欲しかったの!」

「は、はぁ…」

ヤエさんのなすがままになる私。
それを見たゴエモンはひとつ咳払いをした。

「えっと…ところで、ヤエちゃんはどうしてここに?」

それを聞いたヤエさんは、私を抱きしめたまま、顔だけゴエモンに向ける。

「あの桃の形のUFOを追いかけて、ここまで来たのよ。」

「やっぱあのUFO、なんかの事件に絡んでるんでっか?」

エビス丸が聞くと、ヤエさんは相変わらずの体制のまま神妙な顔つきをする。

「ええ、そうなのよ…
私たちもオカマさんたちのこと、いろいろ調査してるんだけど…」

「オカマのこと、何かわかったのかい?」

「そうね、今までの調査でわかったことは…謎のオカマは何人かいて、『ネオ桃山幕府』って名乗ってることくらいかしら。」

オカマさんたち、変な名前名乗ってるんだね…

「モモヤマ〜でっか?」

「けっ!
モモヤマだかクリヤマだか…
カキはどうだかしらねぇがとにかく、コテンパンにしてやるぜ!」

「ゴエモン、上手いこと言うね…」

ふと、ヤエさんの腕の中で呟くと、ヤエさんはそれに気付いたのか私の方を見る。

「サクラちゃん、私とあなたたちの目的って同じだと思わない?」

「あ、確かにそうですね…」

「ほんなら!
また一緒に旅ができまんな!
サクラはんもいてはるし!」

「ええ、そういうことよね。
サクラちゃんもいるし。」

最後どういうことですか。
…まぁ、ヤエさんの言葉で私たちの旅にヤエさんが合流することが決まった。

あれから私はヤエさんから解放されたので、ヤエさんにいろいろ質問してみた。
ヤエさんは秘密特捜忍者の一員らしい。すごいな…
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