正義のために戦え!

□5話
1ページ/4ページ


「ふぅ…」

とりあえず自分の家に帰ってきた。
ゴエモンの提案により、今日はそれぞれの家に帰って明日から出発だとか。

「旅か…」

正直まだ実感はない。
大江戸城を巡ったのだって、家に帰ってしまえば、なんだか夢だったかのように思える。

随分長い一日だった。
午前中は修行をして、午後は…いろいろあった。

もう、思い出すことすら億劫になるほど疲れてしまっている。

「寝ようかな…」

荷物はまとめた。
薙刀と弓もよく磨いた。(今日は特に使ったしね。)

でも、なぜだろう。
少し不安で、少し怖い。

明日になれば、日常の全てが変わってしまうことに少し緊張しているのだろうか。





思えば、とんでもない偶然だった。

もしも、私がもう少し修行を続行していたら。
もしも、ゴエモンとエビス丸がよろず屋を追い出されていなかったら。
もしも、モモのヤツらが大江戸城を狙っていなかったら。

そうしたら私は、明日もただ修行に明け暮れていただろう。

たくさんの偶然がつながって、私とゴエモンたちは出会った。

そんなことを考えてみると、不思議と不安や恐怖は消えていた。

「明日から、頑張るぞ!」

小さく意気込んで、私は部屋のろうそくを消した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ