正義のために戦え!

□4話
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上に上がると、お団子みたいなもののけが床掃除をしていた。

「ここを通れってことか…」

ゴエモンのキツそうな唸りに、私は試しにお団子に矢を射る。
だが、お団子には効かないようだった。

「飛び越えるしかないみたいだね…」

私たちは意を決して、お団子に突っ込んでいく。

(うぅ、スレスレ…)

やっぱり男の子に負けちゃうのか、私はジャンプが少し低い。

なんとか飛び越えることに成功し、先に進む。







「なんでっしゃろ?
ここに窪みがありまんな…」

部屋に入ると、大きな窪み。
エビス丸が不審そうに窪みに近づいた時、なんとなく上を見上げたゴエモンが視線を変えずに叫んだ。

「動くな!!エビ!!」

聞いたこともないゴエモンの声に、私まで体全身が止まる。
それはエビス丸も同じようだった。

その時、エビス丸の目の前に大きなおもりが落ちてきた。
エビス丸はそれを理解し、ゴエモンに軽はずみな行動を謝罪した。

「ゴエモンはん…
わてが確かに悪かったんでっけど、サクラはんが怯えてまっせ」

エビス丸が私を気にしてくれた。
そこで初めてゴエモンがはっとした顔で私を見る。

「す、すまねぇサクラ!」

今度はゴエモンが私に謝ってきた。私はあわてて首を横に振る。
ゴエモンは何も悪くない。

「ごめんね…
ちょっとびっくりしただけだよ!」

「サクラはん、女の子なんねんから加減は大切やで!」

「って、エビ!
おめぇは言えたことじゃねぇだろ!」

申し訳ないけど、二人は私が落ち着くのを待っててくれた。

おもりに気をつけながら、進むとなんとまたもや銀色のカギ穴がかかった扉。

「ここにはもう扉はありまへんな」

「じゃあ、この部屋にあるってこと?」

周りを見渡してみるけど、もちろんない。これゾウくんでも解決できるようなことでもないので、どうしたらいいかわからない。

「なぁ、さっきから思ってたんだけどよ。」

すると、さっきまで(私のせいだろうけど)黙っていたゴエモンが突然声をあげた。

「このおもりって上に乗れば、上にあがれるんじゃねぇか?」

「「!」」

ゴエモンの発想力に拍手。
上なんて考えつかなかった。
エビス丸も同じようで、二人でゴエモンに拍手を贈る。

「すごいよ、ゴエモン!」

「ほんまに、ようひらめきまんな〜」

「へへっ!
んじゃ、おいらが見てくるからな!」

そういってゴエモンは落ちてきたおもりに乗り移る。
おもりは金属特有の音を響かせながら上へ上へとあがっていった。

「よっ!」

下からゴエモンが真ん中の動かないおもりに乗り移るのが見える。
そして、それからしばらくしないうちに真ん中のおもりから飛び降りてきた。

「ほら、カギあったぜ!」

ゴエモンの手にあるカギを見て、私はもう一度扉を見た。

「あの扉のカギで間違いないね!」

「ほな、行きましょか〜」

エビス丸を筆頭に、私たちはカギがかかっている扉へと走って行った。
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