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□恋の香りは甘い蜜
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ふと目が覚めると、横にいるべき存在がなかった。
ボーっとする頭を揺すって無理矢理起こし、目をこらしてみる。
乱れたシーツの跡は、まだそんなに冷たくなってはいない。
ベッドを抜けてからそんなに時間が経っていない事がわかった。
「…カガリ?」
思わず口走っていた。
別にこんな真夜中にどこかへ出掛けるわけがない。
ただ、何となく心許ない気分になるのだ。
耳を澄ましてみると、水音が聞こえた。
もしやと思い、部屋に備え付けられているバスルームの方を見た。
そこからはやわらかな光が漏れていた。
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