銀の書
□しんぱくすう最大
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学校なんて真面目に通うつもりはなかった。
俺のナリを見て面倒臭い事言ってくる大人。
尾ヒレの付いた噂に危険視して見てくる生徒。
(まぁ、言われるような事してるのも事実だが)
そんな毎日のために、学校に通うのがアホらしくて、気が向かない限り学校になんていかなかった。
ハズだった……。
『高杉くん!次の授業はどこの教室ですか?』
「…B棟理科室。」
この女(俺が不本意にも助けた)がこの学校に転校してきてからは、
こんな調子で学校もとい授業までにもちゃっかり参加しているという……。
「あの“高杉”が真面目に学校行ってるらしいぜ。」
「マジかよ……。ヤバくね?」
他校・自校両方の生徒からの小言に堪え……
「高杉。この調子でしっかり学校通うんだぞ。イイ心構えなんだからな!」
なんて言う学年主任の調子こいたセリフにも堪え……
「明日こそ雨が降るカモしれませんねぃ。」
横を通り過ぎる腹黒クラスメートの嫌味にも堪え……
「なかなか青春だねー。高杉くん。」
ニヤニヤキモイ笑顔を向けてくる担任のムカつく発言にも堪え………
「うっせぇ!黙れクソ天パッ!!!」
……られるワケもなく、俺は立ち入り禁止になっている屋上にいるワケだ。
あーマジムカつく。
何阿呆みたいに学校なんか来てんだ?
吸い出したタバコの煙りは途絶えることなく、
俺の足元には吸い殻が散乱していった。
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