ボカロ短編

□過去拍手
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「レンの、ばか」


「はい」


「レンの、いじわる」


「はい」



わかるよ。
涙目で僕を見つめるその瞳は、
どうしようもない、
自分では解決できない
心の奥にある黒いもやもやを宿していることを。


行き場のない
このキュウクツな気持ちを
ただなんとかしたいだけだって。


僕にはわかるよ。




「レンのいくじなし」


「はい」


「レンのヘンタイ」


「………はい」




だから僕は
ただそれを受け入れるだけ。
君の気がおさまるまで



だけど







「レンなんて、きらい」







これだけは――





瞳からついに涙が溢れ、
泣き崩れた君を
抱き締めた。







「他は許せますが
  それだけは許しません」





胸の中で泣き続ける君を
やさしく黙って受け入れた。
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