dream
□バターのように、ミルクのように
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あぁ、冷たい。
バケツをひっくり返したような、という形容詞がまさにピッタリ当て嵌まる雨空の下、私はひとりで歩いていた。
どうも、私は人より鈍いらしい。…私はそうは思いたくないけど。
今日だって、一人で考え事をしたくて、芝生の日当たりの良い所に座っていた。
お天気が良かったし、考え事にも疲れていて、ついウトウトしていたら、急に気温が下がってきた。
その時点で帰ろうとしたハズなのに、神様はどうやら水を張ったバケツにけつまづいたらしく、ビショビショになってしまった。
走るのも馬鹿らしいから歩いて戻っていたのだけど…
「ウェックションッッ!」
あぁ、可愛くないくしゃみをしてしまった。
やはり走れば良かっただろうか、などと反省していたところで、廊下を早足で進む一人の人物を見つけた。
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