dream

□バターのように、ミルクのように
1ページ/4ページ

あぁ、冷たい。

バケツをひっくり返したような、という形容詞がまさにピッタリ当て嵌まる雨空の下、私はひとりで歩いていた。

どうも、私は人より鈍いらしい。…私はそうは思いたくないけど。

今日だって、一人で考え事をしたくて、芝生の日当たりの良い所に座っていた。

お天気が良かったし、考え事にも疲れていて、ついウトウトしていたら、急に気温が下がってきた。

その時点で帰ろうとしたハズなのに、神様はどうやら水を張ったバケツにけつまづいたらしく、ビショビショになってしまった。

走るのも馬鹿らしいから歩いて戻っていたのだけど…



「ウェックションッッ!」



あぁ、可愛くないくしゃみをしてしまった。

やはり走れば良かっただろうか、などと反省していたところで、廊下を早足で進む一人の人物を見つけた。



次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ