短編小説
□◎自殺少女
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(もう仕方ない…これ以上は頑張れないよ。)
一人の少女ーー星野ユキーーは一人放課後の教室で左手首を出していた。右手には果物ナイフが握られている。恐る恐る周りを見渡してみても少女のこれからの行動を妨げようとするものは見当たらない。
(一発で終わらせなきゃ。やりそこなったら次は挑戦出来ない…)
少女の足は恐怖の為かカタカタと震えている。少女は……これから自らの命を断とうとしているのだ。差し出した左手を切り落とそうとーーーーーー正確にはそれくらいの勢いで切ろうとーーーーーーー右手を振り上げた。果物ナイフを振り落とそうとしたその瞬間、
ガラリ
教室のドアが開いた。
「あ、星野さん。」
そこに居たのはクラスメイトの女の子だった。