過去から未来へ舞う翼

□第四章
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「いや〜、こんな高いコート着てお使いに行くなんて緊張するな〜」

歩きながら1人、ハヤテは思う

「(絶対にこのコートだけは汚さないように注意しないと・・・)」

そんな時・・・

バシャッ


「うおっ!」


上からペンキが降ってきたが、何とかそれを交わす

「すいませんすいません。カシミアについたら絶対に落ちないペンキを落としてしまって・・・」

「だ、大丈夫です。今後は気をつけて下さいね」

そう言って歩きだそうとしたら・・・

「ああっ!カシミアについたら絶対に落ちない炭酸飲料が〜!」

パシッ

「ふぅ〜。危なかった」

こぼれてきた空き缶を空中でキャッチし事なきを得た

「ごめんなさい」

「アハハ今後は気をつけてね」

小学生の子供にそう言ってハヤテは歩き出した








その後も【カシミアについたら絶対に落ちないタレ】や【カシミアについたら絶対に落ちないソース】など色んな出来事がハヤテに襲いかかったが、なんとかコートにシミや汚れがつかずにすんでいた

「(これは非常にマズイとりあえず人が通らない場所を通っていかないと・・・)」

ふと、ハヤテは1人公園に向けて歩き出した・・・









〜翼Side〜

『う〜む。やはり予想通りハヤテ君に様々な困難が待ち構えていたか。やはりハヤテ君のスキルは上〇当〇クラスだな』

このままだと、買い物を無事に終える時にはハヤテ君はボロボロになっているだろう

『まあ、ハヤテ君なら何とかなる・・・よな?』

ハヤテ君なら死んでも死ななそうだし、何より責任感があるからな

『・・・このまま監視続行だな』

頑張れハヤテ君。俺は君を陰ながら応援してるからな・・・







【目線は戻ってハヤテ目線・・・】


[負け犬公園]

「ふぅ〜。これだけ人気のない公園を通れば大丈夫だろう」

とは言っても油断はできない
何せこの世の中、何が起きても不思議じゃないからだ

「そういえばこの公園で、お嬢様と出会ったんだよな・・・」

ここにあった自販機の前あたりで・・・って


ウィイイン

ガチャ

ウィイイン

ガチャ

「入りません・・・」

和服を着た少女が、自販機の前で困っていた

【そりゃ〜、お札じゃなくて、悪霊退散のおふだじゃ入るわけないわ

「あの〜、おふだを入れても自販機じゃ飲み物は買えませんよ」

ハヤテは少女に声をかけた
「・・・・・・・大変です」

「・・・はい?」

「知らない人と会話をしてしまいました」

「あ、それはすみません。ですが忠告だけはしておこうと思いましてので。では僕はこれで・・・」

ハヤテはこの子と話はじめた瞬間に感じていた
この子と関わると、今日は大変不幸な出来事に襲われることになると・・・

なので、足早にこの場から立ち去りたかったのだ


「それにしても・・・こんな所で迷子になってしまうなんて一体どうすれば・・・・・」

「(ギクッ)」

逃げなきゃダメだ
逃げなきゃダメだ
逃げなきゃダメだ
逃げなきゃダメだ
逃げなきゃダメだ
逃げなきゃダメだ


「(この不幸な予感を回避するためには逃げなきゃダメなんだ)」

しかし・・・・・

「あの〜、僕で良かったらお力になりますけど・・・・・」
「えっ?」

「なんと言うか、君みたいな子を放っておいたら、誘拐されちゃいそうで・・・」

【誘拐をしようとした奴が言うセリフじゃないけどな


「・・・・・・・・・・」


「友人にも・・・・・」



「えっ?」



「友人にも・・・・・同じような事を言われます(ニコッ」

「・・・・・・・・・・」

しかし、不幸な出来事は、変なタイミングで訪れる


「「「いたぞー!」」」


「え?」



怪しげな黒服の男達がハヤテ達の目の前に立ち塞がったのだった

「見つけたぞ!」
「さあ、その子を離してもらおうじゃないか!」

「(やっぱり選択肢を間違えたー!!!)」

ハヤテは心の中で後悔していた・・・・・











〜翼Side〜

『おいおい。何か凄い展開になっちゃったよ』

遠くから隠れて見守っていた翼は、大量に表れた黒服の大軍に驚いていた

『これは、ハヤテ君の運命は黄信号だな。あ、ハヤテ君が逃げた』

木の上を颯爽と飛んでハヤテ君は逃げて行く

「僕が君を守るから、だから・・・安心して」

「・・・・・・・・・・///」

『ありゃ〜、もしかしたらフラグ立っちゃったか?』

そう言った矢先

「うわ〜〜!」


木を飛び越えた先には池があった
モチロン足場はない

「これでどうだ〜!」
なんと、カシミアのコートを木に巻きつけたのだ

「よし!」

しかし

ビリビリビリイッ!!!

カシミアのコートは無惨にも破れてしまったのだった・・・・・

「・・・・・・・・・」



『やっちゃった・・・・・』

仕方ない
俺がマリアさんに、話しをしておいてやるか
マリアさんもわかってくれるだろう

『ちゃんと帰ってこいよ・・・・・』

そう言い残し、翼は三千院家に戻って行った・・・・・
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