過去から未来へ舞う翼
□第二章
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翼が執事になった翌日の朝
ズズ〜ッ
『・・・うん。味は上々だな♪』
俺は朝早く起きて、朝御飯の支度をしていた
ちなみにまだ、俺以外の人は来ていない
『さて料理の支度は出来たしそれまでなにするかな?』
散歩は・・・迷いそうだからやめておこう
読書・・・本がない
『・・・掃除しかないな』
と言っても、台所しか出来ないけど
『ふぅ〜。ま、こんなもんか』
と、その時・・・
ガチャ
「あ、おはようございます翼君」
『おはようハヤテ君』
「朝早いですね」
『早起きには慣れてるんだ。しかも、今日は初仕事の日だしね』
「なるほど。え、翼君が料理をしたんですか?」
『そうだけど、何か意外そうな顔してるな』
「い、いや。正直、料理とかあまりしなさそうなタイプに見えたから」
『ハハハ。まあよく言われたから慣れてるさ。でも、家じゃ料理は自分担当だったんだよ。自信があるかどうかはともかく、料理するの好きなんだよ』
「そうでしたか」
『そうだ!ハヤテ君。ちょっとスープの味見をしてほしいんだけど、いいか?』
「いいんですか?」
『ああ。自分でも味見はしたけど、やはり他の人の評価が知りたいからな。ナギさんに不様な料理はお出し出来ないしね』
「わかりました」
ズズ〜ッ
『どう・・・かな?』
「・・・・・・・・・・」
『(ま、不味かったのか?)』
「・・・美味しい」
『へっ?』
「すごく美味しいですよ翼君!」
『そ、そうか///』
良かった。人に対して恥ずかしくない料理をお出しできそうだな
「こんなおいしいスープなら、お店出してもいいくらいですよ。マリアさんと互角と言ってもいいですね」
『そうか?でも、確かに昨日の味噌汁とおにぎりはうまかったな〜』
塩加減も絶妙で、誰からも愛される味だろう
『(おふくろの味ってあんな感じなのかもな)』
【おふくろの味って、マリアはまだピチピチの17歳だぞまあ、怖い面もあるがな】
ガチャ
「おはようございます、ハヤテ君、翼君」
「『おはようございます。マリアさん』」
「先ほど、天の声さんが失礼な事を言っていた気がするのですが・・・(笑顔」
【イエイエ、ナニモアリマセンヨ】
「ならなぜ、そんなカタコトなんですか?」
【ソ、ソレは緊張シテイルセイデスよ】
「まあ、今はそういうことにしておきましょう。ただ、今度変な事言うようなら・・・」
【わ、わかりました!】
『(凄いな。天の声さえも従わせるとは)』
彼女は影の実力者かもしれないな。気をつけなければ・・・
その後、朝食の時間になった
「うん?今日のスープは一味違う気がするな」
「はいお嬢様。今日のスープは翼君が作ったんですよ」
『なに。翼が!』
「はいナギさん。お口に合いますか?」
「・・・うむ。うまい。マリアやハヤテにも負けていないぞ」
『ありがとうございます!』
よし、ナギさんの評価UPだぜ
「ところで翼。1つお前に聞いておかなきゃいけないことがあるんだ」
『何でしょうか?』
「聞きたいことは、お前の家族についてだ」
『家族?』
「うむ。よく考えたら、あの公園で野宿していたのだろう?ハヤテみたいに借金があるならともかく、借金もない人間が野宿なんて、よっぽどのことがない限りありえないことだからな。」
『・・・多少暗い話しになるかもしれませんがいいですか?』
「構わぬ。ここにいるみんな興味があるからな」
『・・・わかりました』
話すしか・・・ないよな?