頂き物・捧げ物(ノベル)
□ホントの気持ち
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そして再び尸魂界――
「おぅ、ルキア。一護の様子はどうだった?」
こちらに着いて間もない内に恋次がルキアに走り寄った
「恋次…執務はどうしたのだ……」
「いや、それがだ…実は…あの空気に耐え切れなくなってだなぁ……ってそんなことはどうでもいいんだよ!」
「…兄様のおっしゃったことは本当らしい」
「そうか………っけ、勝手な奴だぜ!テメェの気分に振り回されるこっちの身に…(パシンッ)」
『こっちの身にもなれよ』と続くはずの言葉は、ルキアの平手打ちによって遮られた
「て、てめっ何しやがる!」
と、つかみ掛かった恋次は、泣きそうなルキアの顔を見てしまい、怒りがどこかへ飛んでいった
「なんだよ…どうしたんだよ?」
「頼む恋次!あやつを…一護を悪く言ってやらないでくれ!あやつは故意に人を傷つける様な奴ではないのだ!」
その声は辛くて堪らないというようで――
「いや、でもよ…」
「兄様と別れたのはきっと何か理由があるのだ…!」「…どういうことだよ?」「詳しくは分からぬ…だが、きっと本当はまだ兄様を愛しているままだ…!」
「でもよぉ、それが本当だとして、朽木隊長にはどう説明すんだ?証拠も確証もねぇ。そんなことを信じるような人じゃねぇことくらい分かってんだろ?」
「もちろんだ。」
「じゃあ…」
「探るしかあるまい。」
「探るってお前…どうやってだよ?」
「分からぬ。しかし、このまま放っておいても何も解決はしない。ならばがむしゃらであろうとなんだろうと探るしかない。二人で」「そうか………え?」
真剣なルキアの言葉に納得しかけた恋次の脳に、最後の言葉が引っ掛かった
そして、この嫌な予感は当たっているのだろう…
しかし回避しようとするのは本能で――
「ま、まぁ頑張れよ」
じゃあな。と踵を返す
…が、やはり現実は甘くなかった
「何処へ行くのだ?れ・ん・じ?」
それはそれは聖母も真っ青な笑顔を貼付けたルキア
それを前に恋次の背中には冷汗が流れた
「貴様もに決まっておるだろうが!今更逃れようとは見苦しいぞ!!」
今度は鬼さえ泣いて逃げそうな形相で睨まれた
「やっぱかよ――!」
俺に平和はいつ訪れるんだ―!と叫ぶ恋次
そんなもの貴様には訪れぬ!と再び恋次を引きずるルキア
こうしてあても無いままに真実探しが始まった