頂き物・捧げ物(ノベル)
□ホントの気持ち
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現世に戻ってきてからずっと一護はベッドに潜り込んだままだった
「お、おい一護、一体どうしたんだよ。」
流石のコンも一護の様子がおかしいことに気付いていた
「うるせぇな…何でもなぇよ……」
掠れ消えそうな弱々しい声で答えた一護に、更にコンの心配は増すばかり
…普段から一護は我慢し過ぎるのだ……いろんな事を負いすぎるのだ…
「何でもないわけねぇだろうが!向こうから帰ってきたきりずっとそんな調子じゃねえか!」
「何でもねぇっつってんだろが!!」
身動き一つ取らない状態のままコンを怒鳴り付けた
「なっなんだよ!人がせっかく心配してやってんのに!」
「…………」
それきり、再び部屋は静寂が訪れた
…その頃――
「おぃ、ルキア。ちょっといいか?」
「ん?恋次ではないか。此処(十三番隊)に何の用だ?書類か?」
「いや、そうじゃねぇんだが…。浮竹隊長、こいつ少しの間借りて行っていいっすか?」
今日は体調も良いのだろう
顔色も普段より若干良く、職務をこなしていた浮竹に声を掛けた
「…?あぁ、別にかまわないが…」
「ありがとうございます。」
そう言って恋次は、半ばルキアを引きずる格好でそこを出、少し歩いた所にある、余り人の通らない廊下に移動した
「何だ恋次!さっさと用件を言わぬか!」
「ちょっ!声がでけぇよ…!」
と、周りの様子をひたすら伺う恋次
「…まさか貴様、私を襲う気……」(ゴンッ)
ルキアが言い終わる前に、恋次が壁に衝突した…―
まぁ、内容が内容だけに仕方ないといえばそれまでだが…
「んなわけねぇだろう!!!」
からかうルキアと青筋をたててキレている恋次…このコンビはもはや最凶なのかもしれない……
「分かっておる。貴様にその様な度胸など米粒程も無いことくらいな。」
「て、てめェ……と、そんなこと言ってる場合じゃねえんだ。本題に入るぞ?」
今までの雰囲気を一転させ、いつに無く真剣な表情になった恋次に、ルキアも気持ちを切り替えた