頂き物・捧げ物(ノベル)
□深い想い
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「何…だと…?」
「好きな人…が出来たんだ。だから別れよう修兵…」
そうして一護は俺の前から去った…
ソウルソサエティからも…
『深い想い』
俺は暫くその場所から動くことすら忘れ、一護の言葉を反芻した。
しかし何度考えてもそれは別離の意味しか持たなかった。
それを認識した時、今まで一護に感じていた愛しさは欠片も残さず憎しみへ変わった…。
俺はその日以来、時間があれば一護が好きになったという相手を調べた。
そして見つけ出した。
相手は…藍染―――
俺は更に憎しみが増すのを感じた。
俺達死神を裏切った藍染を…ということはつまり、俺達死神を裏切ったんだと。
あいつの中にある俺達に対する仲間意識は、所詮その程度だったのだと。
他の死神達も、一護が来なくなった事を疑問に思う者が出始めた。
しかし現世の“がっこう”なる物が忙しいのだろうという憶測しか出なかった。
俺はそれを聞きながら、一人笑っていた。
何て愚かなんだ!
あいつは寝返ったんだぞ。次に会う時は敵なんだぞ!!…と――
その時の俺に、真実なんて知る手だてなんて無かった。
いや、知ろうともしなかった。
まさか一護が苦しんで出した結果だったなんて――