名をくれた君を想う

□第七章
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「貴志?
人とも関係を作らなければ、生きていけないでしょ?」

驚いた咲弥が問いかける。

「いいんだよ…!
すぐ引っ越すんだから。
もしこの町で友達なんか作っても、どうせまた嘘つきって言われて終わるんだ!
お姉さん達と遊んでる方がずっと良い!」

目に薄く涙を浮かべて言う夏目を咲弥がなだめようとする。

「でも貴志は人間なんだから、人の友達も」
「お姉さんまでそうやって言うの?」

『作らないと』そう言いかけた咲弥をさえぎって夏目は言う。

「みんなみんな、大人はそうやって言うよ。
僕に『友達を作りなさい。学校に行きなさい』って…。
お姉さんまでそんなこと言うの?」
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