名をくれた君を想う
□第二章
3ページ/3ページ
「あ、あの・・・花の姫」
「やっとか。なんだ?」
小春との会話を聞いていないフリをし、近くの花を愛でていた彼女はいかにも 何か分からないという顔をして振りむいた。
「っその・・・
申し訳ございませんでした!!」
「謝罪は私ではなくこの子にしなさい」
見事な土下座をした彼らに姫が和やかにそう言った
「むやみに襲ってしまって申し訳ないことをしたと思っている。どうか赦してくれ。」
「・・・?」
少年はどういう意味かよくわからないようだった
「アハハ、こんなに幼い子にそんな堅い言い方では伝わらんよ。お前たちは素直に一言、この子に言えばいいんだ」
いまだによくわからない顔をした少年に微笑みを向け、彼女は言った。
「人の子よ・・・その・・・
ごめんなさい」
・・・コクン
少しためらいながらも、しっかりと謝った彼らに少年もまた、ためらいながらも無言で頷いた。
「一件落着。お前たちはもう森へ帰れ。私はこの子と少し話してから帰る」
第三章