名をくれた君を想う

□序章
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「うう・・・普段なら私もそれでいいかと思うのですけど、今回はそうはいきません」
「何かあったの?」

小春の苦い顔に何かあったと察した花の姫は聞いた。

「姫様もご存じでしょう?彼ら森の妖は人間嫌いだと」
「勿論。今までそれにどれだけ振り回されたか・・・」

彼女は特に人が好きと言う訳ではないが、力を持つものとして、妖達が無為に人を襲うのを止めなければならない。下手をすれば害を成したとして祓われてしまうからということもあるが。

「でも、それがどうしたの?」
「実は、『姫様は人間に拐われたのかもしれん』と言い出したものがいて、皆すっかりそう思い込んでしまったのです。」

「まさか・・・」
「はい。彼らはこれから人間達を襲うつもりです」
「あぁーー!!めんどくさいことを!」
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