名をくれた君を想う
□第五章
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~~姫様side~~
あの夜から、貴志は頻繁に私のところに来るようになった。
「ーーーーーうわあ!!」
何処からか叫び声が聞こえてきた。
また妖に絡まれているのか・・・
あいつらも最近は『人間だから襲う』と言うよりも『貴志にちょっかいを出す』という感じになってきてるようだし、のんびり行けばいいか。
「姫様!先程人の子ものらしき悲鳴が!!」
「ああ、それなら多分貴志だから、大丈夫だと思う。」
「そう、ですか?
あれ・・・・姫様、いつの間にか名前呼びですね。」
「ああ、なんとなくね。」
いつの間にか名前で呼んでいたのか、思い出そうとしながら彼女と小春は声がした方へと歩いていった。