名をくれた君を想う
□第三章
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「さて、怖がらせてごめんね。君、名前は?」
「・・・え?」
少年は少し放心していたようで突然声をかけられたことに驚いた
「君の名前を教えてほしいんだけど・・・」
「僕は夏目。夏目貴志」
「!!・・・・・・そう。
夏目って言うの・・・・」
(まさか…あの友人帳の……?)
「どうしたの?」
「いや、何でもない。君は今までにも沢山怖いものを見てきたの?」
「うん…。
さっき、怖いおばけに追いかけられて、ここに逃げてきて。
そしたら・・・・・・・。」
(今度はあいつらに見つかった、か。)
「そっか…。」
「姫様。もうすぐ日が落ちます。それまでにこの子を帰した方がいいのでは?」
「ああ。」
小春に言われてもうそんな時間になっていることに気づく
「夏目。そろそろ暗くなる。街の近くまでは送るから帰りなさい」
「うん」