テニスの王子様
□笑って笑って!
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ドキドキしながら眠ったら、寝坊しました。
覚醒しない頭を動かせて、出かける支度を整えた。
髪を解かしながら時計に目を向けると
集合時間五分前!
あわてて髪を解かしていた櫛を置いて家を駆け出す。
「はぁはぁ」
集合場所は駅前の時計塔の下。
ダッシュでそこに駆け寄ると、いつもと同じ眠たそうな彼がいた。
「あ!ゆず!遅いC〜」
「ごめんなさい!」
ちょっと拗ねた彼に私は頭を下げた。
彼はまだ怒っているだろうか。
不安で悲しくなってきた私の頭を優しく撫でる感覚が伝わった。
「もう俺怒ってない、ゆずが来てくれただけで嬉しい。」
「…慈…郎く…ん」
安心したら、涙がとまらなくなっていた。
嫌われたかと思ってしまった。
優しさが嬉しくて、嬉しくて…泣き止めないよ。
「わわ!泣かないで!」
優しく彼に抱きしめられる。
泣く子供を慰めるように頭を撫でる。
「ゆずには笑っててほしい。」
ありがとう。
泣き止んだら伝えてみようかな。
end