テニスの王子様

□枕がほしい
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チャイムが授業の終わりを告げて、待ちに待った昼食タイム。

窓の外を見ると綺麗な青空が広がっていた。
久しぶりに外で食べようかな。

弁当を片手に小走りで外へ出た。



辺りには昼食タイムとあって、沢山の生徒達でにぎわっていた。


なるべく人気のない所で食べよう。
あ、あの木の下誰もいない!

いい所を見つけ駆け足でその場に着いて弁当を広げた。
「いただきます」と手を合わせ、食べはじめた。


「…ん!うまい!」


お母さんの玉子焼きはやっぱりうまいなぁ〜と感心してしまう。
すると「一個ちょーだい」と隣から手が伸びてきて玉子焼きをつまんだ。


「へ?」


驚いて隣を見ると同じクラスの芥川君が座りながら木にもたれかかってた。


「うまい!…ゆずん家の玉子焼き最高だC〜」


子供みたいな幼稚な笑顔。
クラスにいる時はいつも寝てる芥川君が今は元気な程に
私の目の前で玉子焼きを褒めてくれている。


「今度さ!俺にゆずの玉子焼き食べさせて!」

「え!?…焦がしちゃうかもよ?」

「それでもいいC〜」


はじめてこんなに話をした。
芥川君と話してるととっても楽しい。


「ゆず?膝かしてくんない?」

「え!?どうぞどうぞ!」


いきなりの事でびっくりした。
声が裏返ったかもしれない、そう思うと恥ずかしい。

芥川君はそんな私を不思議そうに見ると、私の膝に頭を乗せて寝息をたてはじめた。


やっぱり芥川君は寝るのが好だなぁ、
なんて思いながら
彼が起きるまで待つことにした。

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