Boys Love

□涙が晴れて
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観月のシナリオはいつも完璧だ、だから僕はいつも観月の言う事をしっかり守って試合をしてきた。



いつからか分からないけど、いつも冷静で皆を支えてる観月の姿に恋してたんだ。







今日僕は、試合に負けた。
観月のシナリオは的確だったのに、僕はシナリオ通りにプレーができなかった。




「み、観月…ごめ…」





「もう結構です、次赤澤部長お願いしますよ。」





そう言った観月の僕を見る目は酷く冷たく
僕の胸に深く突き刺さった。

観月に突き放された、嫌われた…そう思うと悲しくて涙が止まらなくなった
僕はその場から逃げ出した。








「…っ……」



夕暮れ時の川原で膝を抱え込んで泣いていた。
きっと試合が終わって皆寮に帰ってる頃だろう
僕は…僕は帰れない。
帰っても観月にどんな顔をしたらいいかわからない。




「…っ…う…もぅやだ…」





「まったく貴方は…はぁ」





その時、聞こえた聞き慣れた声。
僕の大好きな声。




「観月…?」



「いつまで泣いてるんですか、さ、帰りますよ木更津。」




差し出された右手、僕は掴むことができずに
その手を見つめることしかできなかった。





「はぁ…そんなにキツイ事を言った覚えは無いんですがね。」




「ふぇ…だってだって……観月に…っ…嫌われた…って思ったから…」




その時、ふわりと観月に抱き締められた。
観月の体温と香りがして、安心したようにまた涙が流れていく。




「馬鹿ですね貴方は、僕は何も言ってないですよ。」




「…観…月?」




「安心して下さい、僕は貴方が好きですよ。この気持ちが変わることはありません。」





いきなりだったけど、嬉しくて観月の背中に手を回して
目一杯抱き締めた。




「まだ貴方の気持ち、聞いていませんよ?」



「僕も観月が好きだよ…!大好きだよ…!//」




「んふ、しっかり伝わりましたよ。」







そのまま、見つめあって口付けをした。





end

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