隠し部屋
□食事
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その村は獣や山賊などといった害のあるモノから襲われることなく平和すぎるのどかな場所だ。
しかしそれも表面上のこと。
蓋を開けてみれば恐ろしい秘密が隠されている。それは村の裏手にある山の奥に古城があり、そこに住んである吸血鬼に若い娘を差し出すかわりに外敵から守ってもらっているのだ。
今日はその人身御供の日。
シルクのように艶やかで輝く金髪をなびかせ、大人しい性格の17歳の女が選ばれた。
「村のためにフェリル様に一生懸命に尽くしなさい」
「…はい」
女は頷くと村長に見送られ山に入って行った。
しばらく道沿いに歩いていると、黒いマントを羽織った優男が立っているのに気づいた。
あれがフェリル様だろう。
3歩前まで近づくと震える体を叱咤して膝を曲げて礼をする。
「こっこのったっ度は・・・!」
しかしいきなり顎を捕まれ上向かされた。
「・・・今回は上玉だな」
フッと笑う。
「前回は醜女だったから早々に喰ってしまったが・・・」
ブルリと体がふるえた。
「存分に楽しむとしよう・・・」
上体を屈めてリルの耳元で囁くと膝裏に手を差し込み抱えあげる。
「きゃっ」
すると一瞬で風景が変わり、そこは貴族の上品な屋敷の中になっていた。
しかもそこは寝室らしくベットに投げ落とされた。
「っ!」
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