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□珈琲喫茶店2
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「君は見た目以上にずっと純情みたいだ」


そうでもないよ。
俺の家族みーんな鬼畜。
見た目と年齢のギャップもマジぱないから。


心の呟きをさすがに拾えない臨リンは言葉を続ける。


「俺も人間の笑顔は好きだ。いろんな種類があるからね」


種類ねぇ………。


「じゃあ臨リン悲しんでる子がいたらどうする? 慰めないの?」


「状況によるけど下手に手は出さないよ。どう動くかはわからないからね」


「そっかー大人だねー。でもやっぱり俺は笑ってほしいなー」


「良い子だねー君は」


………うん。
わかってるよ。街中で変な話をしてるなって思ってるよ。だからクロちゃんそんな痛いものを見る目で俺をみないで! 追い討ちかけたくなるからさ!



「ねぇ臨リン笑ってよ。俺臨リンの笑ってるところみたいな」


うわぁ、ってクロちゃんがドン引きしてる。だってしょうがないじゃん。


にこっと笑ったこの笑顔が、さっきからさぁ…………!


あーもう我慢の限界!
ぐいっと臨リンの襟首を掴んで、眼前まで奴を引っ張って、言う。


「笑顔つくってんじゃねーよ。笑えよ。心から」


他人に愛想笑いしてるならまだしも、俺にその作り笑いされると苛つくんだよハゲ。ハゲてないけど。とにかく良い加減にしねぇか。


「嘘、実によくないよ臨リン」
掴んだ跡がついたコートを離して、俺はにっこりと、それこそ心の底からの笑みにピースを添えて。


「ただでさえ臨リン表情つくってるんだからさ。せめて笑うときは心から笑おうよ」


さて言うことは言ったし。
臨リンは黙っちゃったし。
あとはクロちゃんと帰ろうか。




しかしこの後、作り笑いをはじめから見抜いていた俺に臨リンが行動を始めるのを、俺は気づかない─────。
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