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□チョコDay
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視点者不明
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この時期、どこに行っても『2月14日はバレンタインデー!』と書かれた可愛らしい貼り紙が飾られている。
2月14日はバレンタインデー!
だから何だ。
そんなにチョコを売り出したいか。好きな人にチョコあげるなんて日本だけだぞ。わかってんのか。どこかの国では花束を渡すらしいが、さて、貰う人間はどちらが喜ばしいかな?
だいたい、幾ら日本人の甘党の割合が高いからといって、皆が皆チョコ好きだと思うなよ。極度の緊張の末、頑張って渡したチョコが相手にとって毒で、でも断るのは申し訳ないなって無理して食べて、吐いたらどうすんだ。気まずいどころじゃねぇぞ。
固まっているチョコを湯煎で溶かして、全く別の形に作りあげ、何十個と作り上げたその表面に粉糖やらアザランやらチョコペンやらでデコレーションして、さらに可愛くデザインされた袋に1個1個詰めて、ピンクのリボン、赤の薔薇、金の針金あたりでラッピングして。
何十人分のチョコを作るのは、そりゃ楽しいし精神的にも満たされる。
でも、なぁ。
それが出来るのって、結局は子供の頃までなんだよねぇ。
社会人になれば1日の大半は働かなきゃいけないし、休憩を使うとしても多くて2時間。到底お菓子作りに裂くには半端で心もとない時間だ。
好きな仕事が出来れば、毎日が楽しくて充実もするだろう。けれど、電気代やらガス代やらの支払いが安くない世の中、好きなことが出来る時間なんて限られてくるもので。
たった1度の永いようで短い人生。好きにさせてくれたって良いじゃないのねぇ。
詰まるところ、日本人は働きすぎなんだよ。何時間何十年間働かせるクセしてその賃金は大して高くない。寧ろ安い。10万収入があっても支払いで5万近くは持っていかれるし、誰かの結婚式なんか入ると3万くらい出ていくし、最終的に手元に残るのはせいぜい半分あるかないかだ。
さて、明るいはずのバレンタインが何故こうも暗くなってしまったのかというと。
今の世の中に不満を感じ、やりたいことが出来ない現状に苦しい。とにかく、平和に自由に生きていたいのさ。自由を望むのは、『普通』だろう?