偽りの白
□十五章
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名前side
「私にお客様?」
「ええ、名前という人はいないかって」
綾女さんの話によると私が外出している間に訪ねてきて、私が帰ってくるまで待たせて欲しいと言ったそうだ。
私が別宅にいるのを知っていて綾女さんが知らない人、誰だろう?
「貴女よりちょっと年下くらいの女の子なんだけど心当たりはない?」
私を探す女の子・・・
「とりあえず会ってみます」
もしかしたら歳兄が言っていた人かもしれない。
部屋にいたのは、やはり見覚えのない女の子だった。
千鶴ちゃんと同い年くらいかな。
その子は私を見るなり立ち上がった。
「姉さん・・・!」
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