偽りの白

□十四章
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名前side


 私は名目上は監察方の任務として新選組を離れた。


 歳兄からゆっくり考えてみろと言われたのだ。


 強く反対することができなかった。


 お世話になるのは近藤さんの愛妾である綾女さんのところ。


 綾女さんは、とても良い人で事情がよくわからない私に優しくしてくれた。


 男装もせず家事の手伝いをして過ごす穏やかな日々。それは思っていたより良いものだった。


 でも、私は・・・


 「どう?ここでの暮らしは慣れてきた?」


 「綾女さん」


 今日で七日目。私をここに連れてきた以来、歳兄は来てない。


 「はい。お気遣いありがとうございます」


 歳兄に屯所へ戻りたいと言いたかったけど、綾女さんに歳兄を呼んで欲しいとは何か後ろめたくて言えなかった。


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