偽りの白

□十一章
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斎藤一side


 一体、俺が知らないところで何が起こっているのだ?


 先日、副長から名前は三番組から・・・羅刹隊へ移動することを伝えられた。


 何故?


 疑問は大きく詳しい事情を知りたいと思った。


 しかし、聞けるような状況ではなかった。名前は体調が悪いからと会えず、副長からはこれ以上は詮索してくれるなと言われた。


 俺は完全に蚊帳の外。


 いつの間にこれ程遠くなってしまったのだ?


 あの時、あんたから別れを告げられた時からこれでも少しは成長したつもりだ。


 誰よりの名前のためになってみせる。


 思うだけでは伝わらない。わかってはいるが、名前には他に頼れる者がいるのではないか・・・そう思えてなかなか言い出せなかった。


 俺らしくないな。


 総司と一緒にいた名前は肩の力が抜けて楽そうだった。


 俺は結局、自分ばかりで名前を見れていなかったのだと痛感させられる。


 もう一度だけ機会が欲しい。


 それは過ぎた願いなのだろうか?



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