偽りの白

□二章
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雪村千鶴side


 初めて彼に会ったのは3ヶ月前の夜だった。


 私は見てはいけないものを見た。本当に怖くて・・・


 彼はそんな私を冷たく疑っているような目で見ていた。


 そして、私は新選組の屯所に連れていかれた。


 敵意に満ちた視線が刺さって、味方は誰もいないことを痛いほど思い知らされる。


 ひとりぼっちだ。


 『最悪の結果を覚悟しておけ』


 私はどうなるの?・・・ここで死ぬの?


 信じられるのは自分だけ。じっと待っているのが耐えられなくて何とか話を聞いてもらおうとした。


 京へ来た理由や今までの生活などいろいろなことを話した。


 父様の名を言った時、皆さんはすごく驚いていた。どうやら父様は新選組と関わりがあったらしい。


 私は父様を探す手かがりになるという理由で屯所に置いてもらえることになった。


 最初の頃、屯所での生活は窮屈で仕方がなかった。


 たった一人の家族である父様が行方不明になって、見知らぬ京へ来て、変な出来事に巻き込まれて


 ・・・でも、彼が私のことを気にかけてくれたから


 いつの間にか監視の中で日々を過ごすのも苦じゃなくなっていた。


 無口で冷たい印象だけど本当は優しいということを私は知ってる。


 構ってくれるのがただ嬉しくて


 少しでも役に立とうと朝食の準備を手伝うと申し出た。


 翌朝、彼の手伝いをした。話はあんまりできなかったけど楽しかった。


 また、一緒に作りたいなあ。


 つい視線が彼を追ってしまう。


 私は彼に恋をした・・・


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