偽りの白
□一章
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名前side
私は晴れて斎藤組長・・・じゃなくて、一さんと両想いになれた。
あの夜から三ヶ月経ったけど、特に変わったことはない。
一さんは隊務中に私情をはさむことはないし、私もそんなことはして欲しくない。
だから、非番の日に会えれば・・・
三ヶ月前とは変わってしまったことが一つある。
屯所に私以外の女の子が住むようになった。
雪村千鶴ちゃんという子だ。
安全のためにいつも男装をしているんだけど、普通に可愛い。
それに性格も良くて、まさに理想の女の子って感じで
・・・私とは大違い。
比べても意味がないことくらい私もわかっている。
千鶴ちゃんは居候で、私は新選組隊士。
私には女らしさなんてものは必要ないし、あってはいけない。
でも、どうしても気になって仕方がない。
一さんが気にかけている女の子なのだから。
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