短編

□クリスマスイブの夜に
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「…名無し?」


「え?」




そこには仁王がいた。


息をきらしながら鼻が真っ赤な仁王が。



「なんで俺の家におるんじゃ?」



「は?なんでって、丸井につれてこられたんだけど、どーゆーこと?」



仁王は目を丸くした。


いかにも意味がわからないと言いたそうに。


「俺は丸井に、急ぎの用事ができたから名無しに明日にしようって言っとけっていったんじゃが…」



「…は?ちょっとまって、そんなの一言もきいてない」



「っち、丸井のやつ。まぁとりあえずはいりんしゃい」



しぶしぶ私は仁王の家へお邪魔した。2階にある仁王の部屋へ入ると2人で向かいあって座った。



「で、急ぎの用事ってなに?」



ちょっとキレ気味でいってみた。




「こんな空気で言いたくないのぉ」



「はぁ?そんな言えないことなんだー。へー。ふーん。私とのデートよりそっちなんだー。へー」




自分でも我ながらうざい言い方だとは思った。

でもなんかムカついた。



「こっちきんしゃ「やだ」」


ぷいっと違う方を向いた…つもりが。





目の前には仁王の顔がある。



そして唇になにかが当たる感触。






キス…されてる。




そひてゆっくりと唇が離れる。


「これ…とりにいってたんじゃ」



仁王の手元を見るとそこには小さくて綺麗な銀色のリングだった。



しかもよく見ると英語で自分と仁王の名前がきざまれている。




「うわ…可愛い」
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