短編

□義理でもまぁ…
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「はいはーい、今日は何の日?」





「バレンタイン」






「せいかーい」




……え?

そこまで言っといて俺にチョコとかないんか?



せいかーいと言ったらすぐに自分の席につく名無し。
ついでに席は右隣。


あーあ、今日は名無しのチョコまっとったのにのー。



「仁王くん!これ!」
「あ、あたしもあげるっ!」
「受け取ってください!」


次々と机の上にチョコをおかれる。いや、こんな食えんし…。


「ありがとさん」


「「「きゃー!!」」」



ちょっとお礼言っただけできゃーきゃー叫ぶ女子。
名無しの方を見るとこっちを見向きもせず他の男子とお喋り。

おいおい、かなり嫉妬するなり。




はぁ…とため息をついて
どーせ机の中にも入っとるんだろうと思い机の中に手を突っ込んだ。



…あれ?一個か。
机から一個取り出すと透明の袋が出てきてチョコが丸見えだった。



そして俺はすぐに名無しの方を見た。




「義理だから」



「へいへい」






こんなんみれば嫌でも義理ってわかる…。




そのチョコはハート型のチョコに白い文字で大きく義理とかかれていた。






でも、ハート型だから少しだけ期待しとくぜよ。






義理でもまぁ…



いいんか?
 

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