短編

□へたれ先輩
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き、キスって

放課後正門の前で考えていた。

どんな感じなんだろ。

やっぱ気持ちいいのかな。

「名無し」

「いや、違うな。たぶんもっとやわらかそうだからきっとしごこちがい・・・」

「名無し!!」

「え?あぁあぁ!?!?」

後ろには謙也さんがいた。

「はぁ、びっくりした・・・」

「そないびっくりせんでも。ほな帰るで」

「あ、はい」


少し前に歩く先輩。

背中・・・大きいな。

「名無し」

「え、あはい!」

いきなり名無しとよばれてびっくりした。

「手、つなごか・・・」

後ろを振り返って私の手をつかんだ先輩。

どうしよう

ドキドキがとまらない。

「名無し。手ちっさいな」

「先輩が大きいだけですよ」

「せやな」

「・・・・」

「・・・・」


「先輩」

沈黙をやぶったのは私だった。


「なんや?」

「キス・・・」

「・・・え!??!?!」

「キス・・しましょう」

「名無し!?どうした名無し!?」

「先輩って、ほんとにへたれですね」

「え、えぇ!?」

「そんな先輩とキスしたいです」

「ちょ、名無し。ここ、道やで?車もめっちゃおるで?」

「・・・・・・」

「あ・・・んじゃ、今日俺の家くるか?」

「いいんですか?」

「あぁ。ええで」

先輩は笑顔で返事をしてくれた。


やばい
顔がにやけてしまう。

でも、後ろに違和感を感じる私。


白石「ちょ、財前おすなや!!」

遠山「白石ー。ワイ腹減ったー」

一氏「小春。あいつらどう思う?」

金色「ユウ君はどう思う?」

一氏「俺は小春いがい興味ないで」

千歳「はいはい。そこのお2人さんうるかよ」

財前「青春してんな。あの2人」

テニス部の人たちが後をつけてたことを

私達は知らない。
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