短編
□あいあい傘
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「あ…雨だ」
一日の授業が終わり今から帰ろうと準備していた時だった。
ふと窓の外を見ると雨がかなりの量降っている。
「傘持ってきてないな」
そんな事を呟いているとクラスの人達はあっという間に教室からでていった。
みんな帰るのはやすぎ…。
どーしよ…濡れて帰るしかないかな。
下駄箱に行き上履きから靴に履き替える。
学校から家までは約10分。
走れば5分で着くかな。
鞄を頭の上にのせ、いざ走ろうとした時だった。
「ちょ、濡れますよ?」
急に腕を掴まれふと振り返る。
そこには私よりも身長の高い制服を着た男子がいた。
この人どっかで見た事ある。
テニス部だったっけな?
女子達がキャーキャー言ってる。
「あ、あの…私濡れても平気なんで。心配ありがとうございます」
「あんた…俺の事知らないんスか?」
私はコクリと頷いた。
「まじかよ…失敗だな」