夢小説
□花宮
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鼻でふ、と笑いながら言う花宮。効果音にはどやっ、が付きそうな勢い。―――――くそ野郎。人の胸の高鳴りを返せ!
もういい!勢いよく立ち上がり花宮から離れるため踵を返す。下に降りたらこんな赤くなった顔、擦ってやる。そう思っていると急に体が揺れるのを感じた。
腕が若干痛い。なんて思う暇も無く浮遊感が襲った後、気付けば花宮の顔が目と鼻の先にあった。花宮。名前を呼ぼうにも口がうまく開いてくれない。また、熱さが蘇ってきた。
「バアカ、逃がさねえよ」
「…、」
「俺に着いてこい。
幼馴染としてじゃなく、俺の女として傍にいさせてやるよ」
そう言った花宮の声は優しくて、愉快そうに吊り上った笑顔は愛しくて。花宮の言葉は魔法みたい。私を考える暇もなく、頷かせる魔法の言葉。